一級戦士の武器は平等に、刃渡り60センチ位のカタナを使用する。
切れ味も悪いし、重さもバランスも悪い。
イヤなら使わなければいいのだが、素手で戦うのは自殺行為。
ニカウも相手も腰が引けて、カタナを持つ手が震えてる。
誰がどこから見ても弱虫な戦士達だと分かる。
ニカウの相手は汚れていて分からなかったが、まだ若い白人であった。
ジンバブエ保護地区に白人は珍しい。
整った顔立ちに金髪の長い髪。
戦士というよりは詩人のような雰囲気をかもしだしている。
大金持ちの息子だったかもしれない。
どんな犯罪でノーマンになったのか聞いてみたい衝動にすら、かられる。
ニカウは思った。
こいつになら勝てるんじゃないか…と。
ニカウは唇を舐めて近付いた。
白人はヤケクソになった時に出すような叫び声をあげながら、カタナを振りかざしてきた。
ニカウはカタナでそれを受け止める。
離れ間際に白人が早口に言った。
[ちょっと聞いてくれ。話があるんだ]