ニカウは拍子くらった。
[あぁ?な、なんだってんだよ?]
白人
[俺はお前を殺したくはない。お前に殺されたくもない。なんでこんな事をしなきゃならないんだ?]
ニカウ
[はぁ?仕方ないだろ?お前を殺らなきゃ俺はアイツに殺されるんだ。死にたきゃねぇよ]
ツバ競り合いのまま、左右に押し合いながらもニカウと白人は話す。
白人
[いい案があるんだ。とにかくこのまま30分待つんだ。]
白人はニカウを押して、わざとらしくカタナを大振りした。
ニカウは簡単に受け止める。
白人のカタナには力が入ってない。
再びツバ競り合いになる。
ニカウ
[引き分けになって助かるはずはねぇ]
白人
[いや、俺達がアイツを殺すんだ。そうすりゃ次回に持ち越せるんだ。以前にもそれがあったのを聞いたんだ]
ニカウは大男を見ながら言った。
[アイツは強いんだぜ。無理だよ]
白人
[おい。あんまり見るな。アイツは俺達が弱虫だと油断してる。歯向かう事なんて夢にも思っちゃいないさ。アイツが近付いたら俺は足を切る。崩れた瞬間、お前が頭を切るんだ]
白人はゆっくり大きくカタナを横に振る。
ニカウは慌ててカタナを縦にし受ける。