黒竜グループはロンを含めた数人以外は地面に倒れていた。
歯向かう者がいなくなったカオはゆっくりとロンに近付いた。
ロン以外生きてる数人の黒竜は孫に惨殺されていく。
倒れてかろうじて生きている黒竜達をカオの仲間が服をはぎとると次々と崖から落とす。
命の尽きかけてるノーマン達も丸裸にされ崖に放り捨てられた。
保護地区では服も貴重な品物の1つなのだ。
橋の端に詰め寄られたロンは泣いていた。
カオは言った。
[せめてもの情けだ。飛び下りるがよい。苦しまずに死ねるぞ。もし次に黒竜達が来たら、お前は立派に闘って死んでいったと伝えておこう]
ロンは首を振った。だが逃げ場はどこにもない。
ロンはオズオズと橋の下を見た。
深い深い暗闇の世界が口を開けて待ちかまえている。
[い、嫌だ。死にたくない]
泣きわめく姿は哀れさすら漂う。
カオが首を傾げた。孫がロンを掴む。
それを見たカオは振り返り二度とロンを見なかった。