sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.18
ドッグ […俺には家族がいるんだ。俺がまだ生きていて元気でいる事を伝えて欲しい] ダニエルは深く頷き、神妙な顔をして答えた。 [あぁ……替わってくれるなら伝えてやるよ] ドッグはダニエルの首を掴み、耳元でドスの効いた声で囁いた。 [嘘だったら俺がお前を殺してやる。俺の女の名は言わねぇ。ダニエル、お前が俺に教えるんだ] ドッグはダニエルを押し退け出て行った。 ドッグの姿が見えなくなると、興奮してたあの男が再び現れ、ダニエルに声をかけた。 [成功したじゃないか。さぁ約束のフードサプリくれよ] ダニエルは芝居をしてくれた男を見ずにドッグの去った方を見ながらフードサプリを渡した。 [ヘヘッ、これはそっくりお前さんに賭けてやるよ。死ぬんじゃねぇぞ。でもよ、勝ったとしてもアイツに嘘がバレたら殺されるんじゃ意味がねぇんだぜ] ダニエルは呟くように言った。 [本当の事を教えればいいんだよ] 興奮してた男は、ダニエルの言葉をこれっぽっちも信用しなかった。 その男はダニエルに、ドッグにウソをつき交代してもらうための相方にさせられたのだから。
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