sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.20
相手が仕留めにかかる。 ダニエルは思わず左手を振り上げた。 腕から流れ出てる血が相手の顔にふりかかる。 相手の突き出してきた剣が一瞬止まる。 ダニエルはその剣を右手に持ってるカタナではじき、返した勢いで相手の首めがけて振りあげた。 首から大量の血が噴き出る。 赤いインクが詰まった風船にナイフを刺したかのように。 肉体にはこんなにも血が入っているのか。 崩れ倒れたひょろ細い男を見ながらダニエルはそう思った。 ダニエルの左腕は火傷のように熱い痛み。 堪えがたい程の激痛。 指先が痺れてきて動かそうともうまく動かない。 このまま動かなかったら…恐怖心。 だが、痛みは生きてる事を認識させる。 死ねば痛みは感じない。 死んだ男は痛みは感じていない。 倒れてる男を見てダニエルは思った。 痛みがあっても生きてる方がマシだ。 絶対に五体満足で生きてやる。 自分の死に接して強く強く思った。
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