相手が仕留めにかかる。
ダニエルは思わず左手を振り上げた。
腕から流れ出てる血が相手の顔にふりかかる。
相手の突き出してきた剣が一瞬止まる。
ダニエルはその剣を右手に持ってるカタナではじき、返した勢いで相手の首めがけて振りあげた。
首から大量の血が噴き出る。
赤いインクが詰まった風船にナイフを刺したかのように。
肉体にはこんなにも血が入っているのか。
崩れ倒れたひょろ細い男を見ながらダニエルはそう思った。
ダニエルの左腕は火傷のように熱い痛み。
堪えがたい程の激痛。
指先が痺れてきて動かそうともうまく動かない。
このまま動かなかったら…恐怖心。
だが、痛みは生きてる事を認識させる。
死ねば痛みは感じない。
死んだ男は痛みは感じていない。
倒れてる男を見てダニエルは思った。
痛みがあっても生きてる方がマシだ。
絶対に五体満足で生きてやる。
自分の死に接して強く強く思った。