腕を斬られた傷の、熱を伴った痛みが、痺れるような痛さに変わったのは三日も過ぎた頃。
ドッグが催促を言い始めた。
[いつ位に俺の女の名前を教えてくれるんだ?]
ダニエルは傷の腕をさすりながら
[まだだ…今調べてもらってる]
[だからいつ分かるんだ?明日か?一週間か?一ヶ月か?その前に死ぬぞ]
ダニエルは首を傾げながら言った。
[まだ時間がかかるんだ。明後日のクジ次第だが、また俺と並べ。弱そうなヤツに当たらなきゃ俺は死ぬ。俺が死んだらお前の女に伝える事が出来なくなる]
ドッグは鼻を鳴らし
[この嘘つきが。テメェは俺を利用してやがる]
[嘘じゃない。本当に調べてる最中なんだ。必ずだ。期限も決める。あと二週間だ]
ドッグは射抜くように目を細めてダニエルを凝視してから言った。
[二週間の間はテメェの言う通りにしてやる]
[ありがとう。優しいヤツだな]
ダニエルはドッグの肩を叩いた。ドッグはその手をはたいた。