sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.21
腕を斬られた傷の、熱を伴った痛みが、痺れるような痛さに変わったのは三日も過ぎた頃。 ドッグが催促を言い始めた。 [いつ位に俺の女の名前を教えてくれるんだ?] ダニエルは傷の腕をさすりながら [まだだ…今調べてもらってる] [だからいつ分かるんだ?明日か?一週間か?一ヶ月か?その前に死ぬぞ] ダニエルは首を傾げながら言った。 [まだ時間がかかるんだ。明後日のクジ次第だが、また俺と並べ。弱そうなヤツに当たらなきゃ俺は死ぬ。俺が死んだらお前の女に伝える事が出来なくなる] ドッグは鼻を鳴らし [この嘘つきが。テメェは俺を利用してやがる] [嘘じゃない。本当に調べてる最中なんだ。必ずだ。期限も決める。あと二週間だ] ドッグは射抜くように目を細めてダニエルを凝視してから言った。 [二週間の間はテメェの言う通りにしてやる] [ありがとう。優しいヤツだな] ダニエルはドッグの肩を叩いた。ドッグはその手をはたいた。
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