sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.23
[あの野郎。許せねぇ] 罵倒と共に地面を当たり次第蹴飛ばしながら、ソイツがダニエルの元に戻って来た。 [この世界じゃ信用や信頼はクソの役にも立たない] ダニエルは彼に声をかけた。 [俺のサプリが無いんだ。1500個も貯めたのに] ダニエルは顔には出さずに笑った。彼のサプリはダニエルの秘密の隠し場所にある。1500個どころか300個にも満たないサプリ。 見栄を張るヤツは現実を直視しない。自分に都合のいいように観る。 ダニエルは彼の怒りが少し収まるのを待って声を出した。 [殺そうぜ] 彼は唖然とした顔をダニエルに向けた。 [俺はドッグを殺してやる。お前はサミーを殺す。今夜の中に] [なっ、] [そうすれば俺もお前も不戦勝で生き延びる事が出来る。とりあえずはな] [そ、そんな…] 彼はダニエルの投げつけた言葉に頭がついていってない。 考えさせて迷わせてはいけない。ダニエルはたたみかけるように言った。 [サミーが先にお前を裏切った。お前は馬鹿にされたんだよ。いいカモだと思われてるんだ。許せないだろ?怒りは溜めたらダメなんだ。冷静じゃなくなる。サミーを殺る時には俺も付いてく。俺がドッグを殺る時にはお前が付いてくる。一人だと失敗する可能性が高いが二人ならまず失敗しないだろう] ダニエルは立ち上がり、彼を促す。 彼の目は怒りに、復讐の炎に暗く燃えてた。
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