sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.24
幸いにも今夜は月が出てない闇夜。 サミーの粗末な小屋。小屋の中のさらに粗末なベッドに、気配を殺してダニエルと彼は近付いた。かすかに聞こえるイビキの声。 だが二人共ベッドを素通りする。 盛り上がったベッドの脇を通る時にダニエルは剣で布団をめくる。 布団の中はワラしかなかった。サミーは違う場所で寝てるのを前もって彼から聞かされていた。 サミーは体が地面に半分入る穴の中で窮屈そうに寝ていた。 彼は振り返りダニエルの顔を見た。ダニエルは指で心臓を指し、口に出さずに言った。 心臓を狙え。と。 彼はゆっくり頷いた。 ダニエルは静かに、だが素早く退く。 彼はサミーを殺す為に集中している。 サミーの断末魔が聞こえた時にはダニエルは入り口にいた。同時に大声をあげた。 [おい。殺人が起きたぞ] それから一目散に駆け出し隠れた。 野次馬が灯りと共にサミーのいる小屋に駆け寄り、しばらくして屈強な一級戦士が斧を片手に、野次馬をかき分け小屋に入り、羽交い締めにした彼と共に再び外に現れた。 彼は[サミーが裏切ったんだ。だから復讐してやったんだ。ざまぁみろ] と叫びながら引きづられていかれた。 翌日の闘いはダニエルもドッグも不戦勝で生き延びた。
ギフト
0