sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.26
夜も真夜中、ダニエルの元にドッグがやって来た。 片手に月明かりで鈍く光る剣を持っていた。 [よく逃げなかったな。殺されるのを覚悟したのか?] ドッグは笑いながら言った。 [物騒なモノをしまえよ。逃げるならとっくに逃げてる。それに俺はウソはつかないんだ] [まだくだらん事を言ってるのか?お前はたいしたヤツだよ。で俺の女の名前は?] ドッグは剣をしまいながら言った。 [まぁ座れよ。座ったら教えてやるよ。夜中だから声が響くんだ。誰にも聞かれたくない] ダニエルの小さくなる声にドッグは座る。 [ドッグ、お前の女の名前はキャシー。お前の本名はドギー・ブロイヤーズ] 今度はダニエルがドッグの筋肉の束の肩を掴んだ。だがドッグはピクリとも動かなかった。 [ダニエル…お前、本当に伝えたのか?] あっけにとられた顔をしたドッグに更にダニエルは答えた。 [娘は5歳でマリア。いい名前じゃないか。母さんも心配してる。父さんはいないんだな。皆元気だし、お前の事を毎日神様に祈ってる] 少しの沈黙の後に再びダニエルは言った。 [俺はウソはつかないんだ] ダニエルは不適な笑みを浮かべた。 [どうやって?] ドッグの当然だる質問に、ダニエルは笑みを消した。 [なぁ、ここの長老に会うにはどうしたらいいんだ?闘いに勝ち抜くしかないのか?] まだ呆けているドッグの質問に答えず、ダニエルは質問で返した。
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