sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.30
ダニエルは家に着くとすぐにマイケルの為に剣の練習を開始した。 マイケルは嫌がったがダニエルは許さなかった。 明日か明後日か…殺し合いをしなければならない。それは死ぬまでずっと続く。もしくはアノ考えを現実にするまで。 そんな練習の最中にドッグがやって来た。 マイケルの方がドッグよりも身長は高いが、ガタイの良さはドッグの方がはるかに凄かった。 ドッグが声をかけた。 [その練習は小さいヤツには効果的だが大きいヤツには無意味だぞ] ダニエルはマイケルに向けていた剣を地面に突き刺しドッグを見た。 マイケルは訳が分からないままダニエルに向けてた剣を見よう見まねで地面に突き刺した。剣は深く刺さらず倒れた。 [パワーがあるヤツの闘い方とスピード勝負のヤツの闘い方は違うんだ] ドッグの言葉にダニエルはしばし考えていた、が、やがて口を開いた。 [見返りはなんだ?何が欲しい?] ドッグは笑って言った。 [モノはいらん。何故俺の女の名前が分かった?] [秘密だ] ダニエルは即座に返答した。 [なら、お前の弟は間違った剣さばきで闘いに負けるようになるな] ダニエルはマイケルを見た。マイケルはダニエルとドッグを交互に見て、それからダニエルに言った。 [この人、わ、悪い人じゃない。お、俺をバカにしない] ドッグは手を広げ首を傾げる仕草をダニエルにした。 ダニエルは一つため息を付いてから、マイケルに手の平を向けた。それから、手の平を開いたり閉じたりし始めた。 マイケルはダニエルの閉じたり開いたりする手の平を見て、自分も手の平をダニエルに見せて開いたり閉じたりした。 ドッグはそんな2人のやり取りを見て、[なんだそりゃ]と呟いた。 [お、お願いします。ドッグさん。お、俺、頑張ります] マイケルはドッグに軽く頭を下げた。 マイケルの前ではダニエルも誰も、ドッグの名前は言わなかった。 ダニエルは手の平をドッグに向けて、開いたり閉じたりしてから言った。 [開いた時が光だったら?] ドッグは瞬時に理解した。
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