sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.32
マイケルは怖じけつきながらも勝ち続けていった。 ドッグは危なげなく勝っていき、保護地区ではちょっとした有名戦士になりつつあった。 その二人に比例してダニエルは対戦する度に難しくなり、大きな傷はないものの毎回、どこかしら傷が付くようになった。 ジンバブエ保護地区で生き抜くには頭脳や知識よりも腕力やパワーしかないのだ。 そして、ダニエルはついに脇腹を斬られる重症をおった。 治療は消毒液を始め、麻酔などの薬もなければ、治療器具も粗末なもので、傷を治すには頑丈な肉体と強靭な精神、神の加護と運が必要だった。 ダニエルは三日三晩高熱にうなれながらも生き延びた。それからさらに三日後にようやく歩けるようになった。 その晩、ジンバブエ保護地区の外で大きな花火が上がった。 高い塀が邪魔をしてノーマン達には少ししか見えなかった。 その後に音だけが五回鳴った。 マイケルは計画を実行する時がやっときた事を悟った。そして、安堵した。 次の闘いで必ず死ぬと分かっていたからだ。 前もってフードサプリをタダであげていた男の元によろめくように向かった。
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