ツァイは振り向きながら、転びそうになりながら発電所に逃げ込んだ。
カオと孫達はノーマン達に、殺し合いの後片付けを命じ、ツァイの逃げ込んだ発電所に向かった。
ツァイのチャンに対する醜い仕打ちを見た瞬間、カオはこの雲南省保護地区を1人で支配する事を決めた。
殺されたチャンは仲間ではなかった。だが共に生き抜こうと敵対する相手には一緒に手を組んだ仲間でもある。
そんなチャンを、逃げた臆病者のツァイが笑いながら殺したのは赦せない。
カオはたくさんの人を殺してきた。人間としてのモラルはなかった。それでも彼には彼なりの正義やモラルはあった。
ツァイはダメだ…怒りしか湧いてこない。
ツァイグループを支配する為にも、ボスであるツァイを残虐極まりない殺し方をしなければならない。
どんな方法で殺してやろうかと考えながら、早足で追い掛けた。