sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.38
脱獄の時間、月は半分で明るくもなく暗くもない。まさに脱獄に適した夜だった。 静まり反った2000人のノーマン達。 手には布を握っている。 ロープから滑り落ちる時に使う為に。 マイケルがボールを忘れたと言い、引き留める間もなく階段を引き返して、あっという間にノーマンの人混みに呑まれて見えなくなった。 ダニエルがムダウ・カレラに[ダニエルを追う。すぐ戻る。先に脱獄してくれ]と声をかけ、彼を抱きしめた。 [神の加護を。いつか必ず会おう] ムダウ・カレラもダニエルを抱き締め同じような意味の言葉を口にした。 ダニエルは無言でマイケルを探しに降りて行く。 ドッグもダニエルの後を無言で降りて行った。
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