sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.39
[に、に、兄ちゃん] マイケルはダニエルに気付き、ボールをダニエルに投げた。 [さぁ、ボール遊びをしよう] ダニエルは受け取ったボールをマイケルに投げ返す。 少し逸れたボールをマイケルは器用にジャンプし受け捕った。そして笑いながら投げ返す。 ダニエルは受け取らなかった。 背後に誰かの気配を気付いたからだ。 転がってくボールは男の足元で止まった。 男はドッグだった。ドッグはボールを拾い、言った。 [どういう事だ?] 柔らかな夜の風が、沈黙の男3人を包む。 遠くから銃声の連続音。重なるように人の悲鳴や叫び声。 [どういう事だ?] ドッグは先ほどと同じ、怒りも哀しみもない感情のこもらない声で質問した。
ギフト
0