[に、兄ちゃん]
沈黙を破ったのはマイケルの兄を心配する声。
ダニエルはマイケルに笑ってみせドッグに真顔の顔を向けて言った。
[取引した]
ドッグは目と沈黙で返答…まだ答えにはなってない。
[ドッグ、お前は隠れてろ。そしてこの地区の王様になれ]
ダニエルは言い放ちドッグに向けて何かを投げた。
足元に落ちた。鈍く光ってる鍵の束。
[予備はない。刑務所の鍵だ]
[お前の目的はなんだ?]
ドッグは鍵には目もくれずダニエルを凝視した。
怒りはない。ドッグはただ知りたいだけだった。何故こんな事を?
マイケルにとってドッグの存在は怒りを向けられるよりタチが悪かった。
マイケルが諦めるように話だした。
[ここに入る前に政府と取引をしたんだ。弟の為に。俺の為に。ファミリーの為に]