sadojam 小説
アフリカジンバブエ保護地区.41
[政府はファミリーの全滅をしない代わりにノーマンを絶滅しろと。もちろん、直接殺せとは言わない。言った時点で保護地区行きだからな。政府の考えではノーマンは害なんだ。いや、害虫よりも下なんだ。ゴミにも劣る無価値な存在なんだ。ますます増えていくノーマン。そのゴミの為に、世界連合から補助を貰い続け、援助されてく度にアフリカは言いなりにならざる終えない。つまり人間の廃棄場所になる国にはなりたくないのさ。アフリカ以外のゴミがここアフリカに集められるようになるのは時間の問題。ゴミの王になり下がりたくはないんだとさ] [もちろん、俺もゴミの一人さ。だがゴミにも使い道になるゴミもあるらしい。それが俺さ。] ノーマンが入る門が開く音。重々しい音。 [早く隠れろ。生きてるノーマンがいるのが分かったら俺はお前を殺さなきゃならない] [お前も殺されるかもしれんぞ。政府がゴミ相手にまともに取引すると思ってるのか?] [俺は馬鹿じゃない。ちゃんと政府の弱味は握ってるんだ。いいか、1166883。これは符合だ。忘れるな。俺のファミリーがノーマンになってくる時がくる。この数字はお前が保護地区でのボスである証になる。早く隠れろ] [俺も助けてくれ] ドッグの命乞いに即答した…[無理だ。ノーマンを絶滅しろってのが取引なんだ。殺さなきゃならなくなる] [お、俺、ドッグを殺したくない] マイケルがダニエルに抱きつき、泣きそうになりながら言った。 ダニエルはマイケルの頬を撫でながら答えた。 [俺も殺したくはないんだ] ドッグは何かを言い出そうとしたが口を閉じた。 踵を返し闇の中に消えていった。
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