sadojam 小説
[16][愛は凶器]
愛の為に冷静になれない…集中できない。 愛の為に頑張れる…やる気でる。 愛は両刃の剣。 一種の凶器…愛を手にしたら強いが、失えば、ざっくりと刺される。 ▽腹が満ちれば注意は散漫になる…タケチが食い終わるのを待ってから、俺は話を切り出す。 [なぁ、マコトとはどうなった?] タケチは煙草に火をつけながら1言 [俺が飽きやすい性格は知ってるでしょ] 笑いながら答えた。 …つまり1回きりの遊び相手。 たわいもない話がデザートになり、会計を済ませバイバイ。 帰り際にタケチが言った。 [そういや珍しいな。お前が俺達の世界に口出すなんて] 俺達の世界…ゲイの世界。 [いや何となくね] [さては気に入ったか?] にやつくタケチ…カマをかけたらしい。 [だからたまたま気になっただけだよ] カマかけには乗らない。乗りたくない。 [俺(ゲイ)をバカにするなよ。ゲイはゲイが分かるんだ] 真顔でまっすぐ俺を見ながらタケチは言った。 カマかけであって欲しかった…。 [アホ] タケチに言って別れた。 帰宅中1人つぶやいた [アホは俺だ…] 結局一番知りたかった事を聞けなかった…マコトの事…。 バカだ…またつぶやいた。
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