sadojam 小説
[29][苦幸]
愛は苦しみも作り出し、幸せも作り出す。 ▽喫茶店の会計最中、マコトは腕をからませてくる…恥ずかしい。 だが悲しませたくはないから、そのままにさせる。 店員の奇異な視線…耐えられない…二度とこの店には来れない。 マコトと出逢った記念の店なのに…。 車に乗った途端、マコトは抱きついてきてキスをした…強くネットリと…熱い吐息が顔にかかる…マコトの舌が口の中をまさぐる。舐め躍る。 マコトの柔らかい髪の毛が額に頬にくすぐり、エンジンをかけてない車の中は、キスと吐息とため息の音が充満した。 世界には俺とマコトしかいない…そんな錯覚を覚えた。 マコトしか見えなかった。
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