sadojam 小説
[造らなかった]
楽したいから…楽さを選び努力をしなかった結果…この手に何にもない。 ▽俺には何にもない…空虚…虚無…。 だからこそ何かを持つ者、何かに…愛にすがれる者を、羨ましく嫉妬し憎悪する。 俺と同じ虚無な世界の住民にしたくなる。 何で俺だけこんななんだ…完全な八つ当たり…解ってるが怒りは収まらない。 マコトがいなくなった…俺のせい…それでもマコトを許せない。 声が囁く…お前が悪いのに…お前が口説いて勝手に壊した。 …自業自得。自己中心。自分勝手。 うるせぇ! トイレでゴチる。 睡眠不足…寝ないと更に気弱になる。 ベッドでは鼾(イビキ)をかいてるトオル。 怒りがぶり返す…八つ当たりなのは分かってる。 寝ないと…でもここでは寝れない…寝たくない。 マコトの書いた紙を丸め、ゴミ箱に…新たに書く。 先に帰る。 後で電話する。 万札と一緒に机に載せ、部屋から出た。
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