sadojam 小説
[幸福は不幸への扉]
一度、幸福の味を知ると、それ以下の味は美味しくなくなる。 ▽熱いシャワーを浴びる…冷蔵庫から烏龍茶。昨日買ってあったデリバリのチャーハンを温めずそのまま、胃の中に放り込む。 味もそっけもない食事。だが、落ち着いた。 マコトに期待せずに電話してみる…当然出ない。 メールをうつ… おは♪ 昨日は大丈夫だった? かなり心配。 一回だけ会えない? …会いたい。 メール送信…続いてトオルにも… …何書けばいいか分からなかった。 携帯をベッドの上に放り投げる。 テレビを付ける。 他愛もない番組…チャンネルを切り替える…つまらない。 テレビを消した。 やる事はある…仕事…やる気にならない。 睡眠…眠いが眠りたくはない。 静かな部屋…また声が囁きだす。 お前は望んじゃダメなんだ…望むから失望する。 期待した結果がコレだろ? 幸せを望んだ時点で不幸が始まる。 ここぞとばかりに声が言いまくる…。
ギフト
0