共有の秘密を持てばいい。
もしくは互いに自分しか知らない秘密をバラしあえばいい。
▽トオルが先に素を出した。
だから俺も素を出した。
つまり、互いに弱音…本当の自分をさらけ出した。
S○Xでは味わえない一体感。
解りあえる相手がいた。
親にすら理解してもらえない本当の自分。
恋人には見せられない素の自分。
自分と同じ人種を見つけた安堵感。
やっぱり自分だけじゃなかったんだ…という安心感。
ピッタリとリンクできる人間…トオル。
だからといってトオルと俺が一緒になるわけじゃない。
親友みたいなもんだ。
一蓮托生…たとえ1年会わなくても必ずどこかで繋がってる絆。
細いが決して切れない線。
トオルは泣いていた。
いつの間にか俺も泣いていた。
ラブホテルの一室…男2人が泣く。
異様な風景。
異常な世界に住む住民にとっては、異常ではなかった。
32年生きた…そしてやっと出逢えた人間。