理想と想像と妄想と空想と夢
▽電話に表示されてる数字は、登録されてない携帯電話番号。
仕事か?
マコト?
淡い期待を一蹴…出る。
[もしもし?ユダ?]
女の声。
声質で予測…多分チェリーかオレンジ。
[私、オレンジ…覚えてる?
ユダの携帯、勝手に見ちゃった。ごめんね]
媚びた声で悪びれない謝罪。
たいがいの携帯は、メニュー→0(ゼロ)を押したら、番号やメルアドが分かる。
勝手に見た事よりも、媚びた声の方が気になった。
金かなんかの相談ごとだろう…。
[アミ…チェリーっていたじゃん。うちら2人家出してたの、知ってるでしょ。でもチェリーが親に見つかって、強制的に家に戻ったの]
たくしまくる…まだ話は終わらない。
[それでね。私1人になったの。家には帰りたくないの。でも1人だと何かと不便なの。でさぁ~]
話が途切れる…怖いもの知らずの小娘もさすがにお願いしづらい事。
[で?俺にどうしろと?]
話を促す。
[少しの間だけでいいから泊めて欲しいの…お金はキチンと払うからさ]