異世界サイコロ旅行
番外編《異世界ころころラジオ》サトシってだぁれ?
※本番外編は、本編と若干繋がっております。どうぞ、このままお読みください。また、キャラクターの印象が本編と多少異なっておりますが、アレはアレ、コレはコレの精神でお楽しみ頂ければ幸いです。では始まります。 ♪チャ~ン チャッチャッチャッチャッ チャラララ~ン⋯⋯♪ えくすこたん(以下:え):  こんにちはー。本日より不定期でお届けする『異世界ころころラジオ』。パーソナリティーのえくすこたんです。どうぞよろしくお願いしまーす。 (拍手)パチパチパチ~  突然で驚いた人もいるかもしれませんね。ちょっと説明しましょ。  えー、まずはこの拙い小説を読み進めてここまで到達して下さった読者の方々、お疲れ様です。深くお礼を申し上げます。  このラジオはですね、小説をより読みやすくするための補足みたいなものです。私達もプロではないのでね、説明不足・表現不足が出てくるかと思います。読者の方々を置いてけぼりにはしたくないので、ラジオで軽く解説しつつ、皆さんと私達制作が一丸となって歩んで行けたらなぁと思ってます。はい。  さてさて、説明はこのくらいにして。記念すべき第一回目のゲストを迎えましょう。この方です!   あーちゃん(以下:あ):  アーシャこと、あーちゃんです。よろしくお願いします。 (拍手)パチパチパチ~ え:  やっほー、あーちゃん! いよいよ始まったね、『異世界サイコロ旅行』。 あ:  ねー、ドキドキだね。 え:  まずは軽くうちらの自己紹介しようか。コホン。えー、私はエクシア・スコールズ、お絵描き大好き仮想通貨女子16歳です。よろしくね。 あ:  僕はアーシャです。15歳です。えっと、いろいろ戦う予定です。好きな食べ物はお肉です。 え:  これでよし、と。早速小説の話に入ろっか。この小説は、スケッチ旅行の目的地をサイコロ任せにして選んでたら異世界に転移しちゃった、ってところから始まるんだよね。 あ:  うん。おねえちゃんもいきなりオークに襲われて大変だったね。怖かったでしょ。 え:  渡辺さんね。演技派だから怖かったー。あの人、元水泳部らしいよ。 あ:  え、渡…? え:  。最初に沼から出てきたオークだよ。小林さんよりスタンバイ長いから肺活量MAXだーって張り切ってた。さすが元水泳部だよね。まだ余裕って言ってたもん。 あ:  こば…。 え:  んも~、二匹目のオークだよー。さてはあーちゃん、休憩中に皆としゃべってないな? コミュニケーション大事だぞー。 あ:  渡辺さんに小林さん⋯⋯。 🎲 え:  さてさて、今日のラジオは「サトシってだぁれ?」というテーマでお送りする予定ですが。 あ:  十六年前にエクシア王国を建国したサトシ・ヤマモトのことですね。 え:  サトシさんは、現エクシア国王? あ:  ううん。サトシと一緒にエクシア王国を建てた仲間のうちの一人が、現国王だよ。 え:  じゃあ、サトシさんはどこで遊んでるの? あ:  偏見がひどい⋯⋯。彼は、『御使い現れ刻が動く。選ばれし者は剣を抜き国と、姫をまもるだろう』なんて言葉を残していなくなっちゃって。 え:  まーた意味深な。姫ってあーちゃんでしょ? ブルーノさん達に姫って呼ばれてるし、守られてるじゃん。 あ:  ボ、ボクは姫じゃないよ。 え:  ヒューヒュー、照れんなって! 王子様と最後はフレンチキッスするんだー。この流れだとサトシが王子様でしたってオチかなー。私、むっちゃムービー撮るから! SNSにアップしてもいい? さて、サトシ王子はどんなイケメンかなっと。携帯、携帯。 あ:  ちょっと! サトシをググっても何も出てこないから。ラジオ中にやめて! え:  ダメだ。ポケ○ンしか出てこなかった。 あ:  おねえちゃんの場合、検索結果はポ○モンのサトシの前に「」であるべきじゃない? あなた、現実世界の仮想通貨女子でしょ? え:  まぁね。でもほら、私の世界の「サトシ・」はマジで正体不明だから。あーちゃんの方の「サトシ・」は目撃者がいるわけだし。 あ:  こっちのサトシはいつもフードを被って、仲間に顔を見せなかったみたいだよ。自分の素性も語らなかったみたいだし。 え:  じゃぁ、ナカモトさんもヤマモトさんも正体不明なのね。ヤマモトさんも通貨の単位になったりしてる? ナカモトさんはビットコインの最小単位に用いられてるけどヤマモトさんはナカモトさんと同様にヤマモトさんみたいな… あ: キーーーッ。ヤマモト、ナカモト分かりずらいーーっ! え: (くっくっく) あ: (自ら混乱の種を撒いて行くスタイル!?)よし。気を取り直して、順を追ってサトシ・ヤマモトの方を説明してこうね。エクシア王国の建国者だよ?  まず、おねえちゃんがいるのは、大きなアルカディア大陸ね。オークが出てきたのは、大陸中央部のアルカディア大湿原。分かる? え:  分かるよー。 あ:  アルカディア大陸には東西南北に国があって、東の世界樹の森、西のフィラデル魔法国、南のイスハン帝国、北のヴァレリア教国に分かれてる。大陸中央の辺りは空白地帯だったんだ、昔はね。そこにはドラゴンがいたから、どこの国も手を出せなくて。今はえくすこぴょんなんて呼ばれて親しまれてるけど、当時はやんちゃでね。国を追放された人とか犯罪者とか、訳ありな人達がこの空白地帯を好んでたまり場にしちゃってたの。 え:  分かった! そこに忽然こつぜんと現れたサトシは、破門された若者らをそのカリスマ性と圧倒的支配力でまとめ上げ、組長を湿原に沈めて大陸を牛耳るNo.1のヤクザにまで昇り詰めたんだね! あ:  十週打ち切り漫画みたいな設定にしないでくれる? え:  私は全っ然読むけどね。単行本も買うけどね。 あ:  えーと、どこまで話したっけ。そーそー。  ある日、そのたまり場に現れたサトシは、訳ありな彼らをまとめ上げドラゴンに打ち勝ち、アルカディア大湿原を含む現エクシア王国領土に建国の宣言をしたってわけ。それが十六年前、エクシア王国の始まりね。 え:  私のヤクザ物語と、筋書きがおおむね一緒やん。 あ:  ⋯⋯。 え:  ところで、あーちゃんは「サトシ」って呼び捨てするけど、姫様だから生意気で礼儀知らずなだけ? あ:  今のおねえちゃんの口の利き方が、礼儀知らずだよ。  違くて。ボクの父がサトシと一緒に建国した仲間の一人なんだけど、サトシが呼び捨てにこだわったんだって。剣が強すぎて、サトシ様なんて言う人もいたけど、皆と同じ立場、仲間でありたいって。 え:  冗談ですよ。へぇ、そうなんだ。うふふ。 あ:  どうしたの? え:  素敵だなって。 あ:  素敵? え:  ほら、「サトシの腰かけ」からエクシア王国の王都エクセリアを見たでしょ? 私あの景色、本当に感動したんだー。サトシさん、強いのに景色に感動するような一面もあるんだ~って思ったら、なんだか私と趣味が合いそうだなって。芸術も分かる建国者ってカッコよくない? それだけで脳内イケメン変換されちゃう♡ あ:  なっ! ボ、ボクだってあの景色綺麗だと思うし、一人で何度も見に行っちゃうよ! それに絵は見るのも描くのも好きだもん! 剣だって強いしね! オークだって倒したじゃん? それにサトシは小柄だったらしいから、おねえちゃんのイケメン像とは違うと思うな! え:  ⋯⋯。 あ:  あ⋯⋯、あれ? ボク⋯⋯、ごめんなさい。 え:  ぷっ、あはははー。あーちゃん、可愛い! 私もあーちゃんと一緒にいると楽しいよ。 あ:  (穴があったら入りたい) え:  でもあれだね、サトシさん。どこにも行かないで、もっとエクシア王国の平和のために働いてくれたら良かったのに。建国するだけで、ちょっと無責任じゃない? あ:  う~ん、仕方ないかも。父が言うには「海の向こうから来た渡り人」だったらしいから。 え:  渡辺さん? あ:  わたりびと! 元水泳部のオークじゃないよ!   アルカディア大陸以外から来た人を、ボクたち単純に「渡り人」って呼ぶの。渡り人とボクたちは昔いろいろあって基本的にソリが合わない部分も多いから、ふらりと消えても何とも思わないの。 え:  へぇ。 あ:  でもサトシはちょっと違って皆とうまくやってたみたい。それに仲間にたくさんの事を教えてくれたんだよ。政治のこと、地場産業の重要性、外交関係、その他いろいろ。遺書を残すような勢いだったそうだから、サトシがいなくなったとき父たちは察したみたい。 え:  サトシさん。きっと理由があって命がけの大仕事をしたんだね…。 あ:  『御使い現れ刻が動く。選ばれし者は剣を抜き国と、姫を護るだろう』っていうのもそう。サトシが霊峰マクスウェルに刺した聖剣エクスカリバーを抜いた人は、絶対に姫を護らなきゃいけないの。父を含む数人の仲間達はその教えをとても大切にしてるよ。もちろん、エクシア王国民もね。  おねえちゃん。実はボクね、剣を⋯⋯、いや、何でもない。まぁとにかく、ブルーノもスヴェンもエクスカリバーを抜いてないし、姫はボクじゃありませんよーだ。 あ:  ふぅ。いろいろ聞いてまだ頭まとまってないけど、でもサトシさんっていうイメージに奥行きが出たというか、血が通った気がするよ。もしかしてどこかで生きているのかな。旅をしてたらいつか会えるかな。 え:  そうだね、ボクも会ってみたい。 あ:  さぁ、皆さんはどうでしたか? 第五投であーちゃんが語ってた「サトシ」について、少しお分かりいただけたでしょうか。彼は後々、重要な意味を持ってくるとか、来ないとか…。  これから物語はゆっくりと旅へ向かって進んで行きます。どうか、私達と一緒に楽しんでいただけたら幸いです。それでは今日はこの辺で。また小説本編でお会いしましょう。さよーならー。 え:  ありがとうございました。 ♪チャ~ン チャッチャッチャッチャッ チャラララ~ン⋯⋯♪
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