[好きな子いるの?]
妙子は驚いて言った。
[興味がある…って言っただけ。好きな男はいないわ]
[もったいないわ]
妙子が独り言のように呟いた。
[恵美、あなたもてるの知ってるでしょ。知らないとは言わせないわよ]
恵美は恋愛…男女関係には敏感だった。
確かに妙子の言う通りだった。
でも興味を引く人は学校には1人もいなかった。
[妙子の方がもてるわよ]
私は妙子にそう言った。
妙子の友達数人が、私達に気付き近寄って来た。
[先に教室に行ってるわ]
私はそう言い残し、何か言いたげな妙子を置いて、学校へ向かった。