[自分のやれる事をやるんだ。恵美は身体を売れるからソレをやる。俺は政治に詳しいからそれをやってる]
彼はワインを1口飲んでから、また口を開いた。
[頭を使えるなら頭をね]
彼は、自分で言った言葉に納得したように、何度も頷いた。
[自分のやれる事をやれば金は増えてくんだ。自分のやれない事をやろうとするから消えるんだ]
彼は何かを思い出したように笑った。
[いくら位お金あればいいの?]
彼は片手を広げて言った。
[最低500万だな。恵美は3年続けてりゃ貯まるさ]
[来年高校卒業よ]
私は呟くように言った。
今まで頷くように首を縦に振ってた彼は、今度は横に振った。