[今何してんの?]
メールの内容…やはり神崎から。
[○○○駅前で座ってる]
それだけ返信。
少し経ってから…メール受信。
神崎…[動かないでね]
来るつもりなのだろうか?
神崎は妙子の彼氏…でも家に帰りたくはない。
他人が目の前を通り過ぎて行く。
何人も何十人も何百人も。
誰も私を見ない…ありきたりな風景と同化。
私はここにいるけど、皆にとっては、いないも同然。
こんなに人はいるのに、友達はいない。
そっちの方が不思議だった。
声をかけられる…神崎。
いた…知り合いだが友達に近い存在。
だが他人ではない。
[何やってんの?]
神崎は息を吸い、吐きながら言った。
[座ってるの]
私は素っ気なく答えた。
何て答えていいか分からなかった。
[隣…座ってもいいかな?]
神崎の問いに私は頷いた。