sadojam 小説
.17
翌朝…加藤が学校門前で私を待っていた。 朱雀Kの性格が少し手助けしてるのだろう。 [近藤さん。おはよう。見てくれた?どうだった?] 私は思う…人は皆寂しがり屋で、自分の存在を認めて欲しいのだ。 優越感に浸りたい為や、いばりたい為じゃない。 ただ認めて欲しいだけなのだ。 大げさに言えば ここにいてもいいよ…生きててもいいよ…。 加藤の質問は他人から見たら、くだらない質問かもしれない。 だが加藤にとっては切実で深刻な問題。 普段の加藤は絶対に、自分から話しかけない…とくに女の子には。 今までそうして現実を生きていた。 私は言った。 [すごいね] 加藤は目を開けて喜んだ。 [えへへ…サークルの参加者をもっと増やすんだ。あのサークルに…] 彼は説明し始めた。 まるで自分がモ○ゲを作ったかのように、モ○ゲの事まで自慢した。 加藤はネット世界…架空世界に生きていた。 それが正しいのか悪いのか… 良いのか悪いのか… 私には言えない。 ずっと知りたかった質問をした。 それが分かったら加藤なんかに興味はなくなる。
ギフト
0