sadojam 小説
[偶然]
[偶然]を人は大袈裟に[奇跡] と呼ぶ。 ▽[すいません]…謝り立ち去ろうとした。が、肩を掴まれた。 [謝るだけで済むと思うの?] 笑いながら言われた。 私は焦った…絡まれたからじゃない。 アイツがいなくなるからだ…私の荷物も失くなる。 [急がないと失うんです!全部!] 大声になりそうな自分を制しながら答えた。 周りに人影…見渡す。 私を女達が5、6人囲んでいた。 [必ず戻ってきます。行かせて下さい] 肩を掴んだ女はまた笑った。 [お前ビビッてないだろ?立場分かってる?] 分かりたくもなかった…それよりも私の荷物! [お金あげます。だから行かせて下さい] 叫んだ! 肩の手を離さなかった女…亜美(アミ)…チェリーだった。
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