「やっほーーーー☆私の世界にようこそーーー☆」
目の前で起きている非現実的な現象に驚いていると、この世界の主神とやらが再度話しかけてきた。
1回無視してみようかしら。
俺もいきなり知らん所に飛ばされてイライラしてる所である。
ちょーっと虐めてもいいよね?
いや、多少虐めたくらいでバチは当たらないだろう。
「やっほーーーー!ねぇ!!きこえてるよねーーー!!!私の世界にようこそーーー!ねぇ!きいてるかなーーー?」
ちょっと涙目になってきた主神。
くっくっくっ。こいつは面白い。
もう1回無視してみよう。
【主様・・・。】
俺のスキル?らしい《第2人格》も俺の神対応に言葉が出ないらしい。
【否定します。明らかに厭らしい笑みを浮かべて遊んでいらっしゃいます。】
おっと、これは失敬。表情に出てしまっていたか。
そろそろこいつで遊ぶのもやめてやるか。
「ねぇ、無視しないでよーー!ねぇーてばーーーー!ううぅ。」
無視され続けて泣きそうな幼女。
「なんだよ。訳の分からない所にいきなり飛ばしやがった阿呆。」
おっとっと。
涙目に+真っ赤なお顔になっちゃったよ。
主神ときいたからきっとナイスガイな爺が「ホッホッホッ、儂がこの世界の主神じゃ。」とか言ってくるんじゃないかと予想していたが・・・・・
現実の神はというと腰程まで伸びた綺麗なプラチナブロンドの幼女であった。
意地悪したくなっちゃうのもしょうがないよね?
気を取り直して幼女に話しかける。
「冗談だ。お前がこの世界の主神とやらなのか?」
意地悪されて相当怒っているのだろう。
今更きいても知らないよ!ふん!と言わんばかりにお饅頭のようにほっぺを膨らませてそっぽを向いている。
あらヤダかわいい。
えい。ツンツン。ツンツン。
主神のほっぺをつついてみると素晴らしい弾力であった。
調子にのってこねくり回していたら。
痺れを切らしたのか幼女が反応した。
「もぉーやめて!私これでも神様なんだけど!?敬って!崇拝しなさいよ!」
やっほーーーー☆私の世界にようこそーーー☆とか威厳の欠片もない挨拶をする阿呆を敬う?崇拝?
はて、このネジが飛びまくった阿呆は何を考えているのやら。
それにしてもこのほっぺ極上だな。
気持ちいい。ずっとぷにぷにしてられる。
ぷにぷにぷにぷに。
もう最高転移とかもうどうでもいいや。
「やぁめへっへひゅてるでしょ!!!」
俺から逃れようと抵抗するががっちり捕まえてぷにぷにしているのだ。
逃れられまい。くっくっくっ。
無駄な抵抗はやめてぷにられるのだ!!
しばらく金髪幼女の極上ほっぺを堪能していると《第2人格》から声が掛かった。
【主様、主神を弄り倒すのも宜しいですが何故この世界に転移させたのかきく必要があるのではないでしょうか?】
おっと、これはいけない。
ついつい夢中になってぷにりすぎてまった。
全く頼りになるスキルだよ。
そろそろ真面目にきいてみるか。(ぷにぷに)
「なぁ、主神さんよー。なんで俺をこの世界に転移させたんだ?(ぷにぷに)」
「ひゃんとひゃにゃふゅひゃら!ぷゅにぷゅにやめふぇ!」
ほっぺを揉みしだいているからか呂律が回っていない。
ちぇっ。せっかく触り心地満点なのに。
まあ、話はきかないといけないからやめてやるか。
至福のひと時を中断し主神を解放した。
「ふぅー。 ようやくやめてくれた。もう!私神様なのになんでこんな扱いなのよ。全くもう全くもう。」
愚痴を零しながらも話始めた。
「まずは、自己紹介からかな?超プリティーな女神様イリス・マナ様だよ☆よろしくね☆」
うん。どっかの魔法少女か何かなのかな?
「私が創造した世界ユートピアに転移させた理由だったっけ?えっーとね!君達は元の世界で1年以内に死死ぬ事が確定してるのよ。
それでね!君達の世界の神と話してこの世界を発展してもらう為のこm…じゃない人材を貰ったの!まさか1人目に出会って無視されてぷにぷにされるとは思ってなかったけど………。今度あったらあいつぶん殴ってやるんだから!!」
おいおいおいおい。
ツッコミどころ満載すぎてどこから突っ込めばいいかわからねぇーぞ。
・1年以内にしぬ?
・俺だけじゃなく他にも転移されている?
・俺達の世界の神とやらに俺達を貰った?
訳が分からない。
ぷにぷにしたのはお前のほっぺが極上だったからだな。うん。
てかこいつ今駒って言いかけたよな?てか絶対言ったよな?
まぁ、いい変な所につっこんでもしょうがない。言わせておこう。
「ちょっと質問いいか?1年以内に死ぬってどういうことだ?それに俺以外にも転移されているのか?」
「答えて上げてもいいけどどうしよっかなー?さっき私の事散々無視してぷにぷにしたしなー?ふふふーん☆」
ガチッ。 拘束完了。
「ぷにぷにされたいのかな?阿呆神さんよー。」
がっちりロックされ身動きが取れないイリスは涙目でこちらを見た。
「ごめんなさーーーい!ちゃんと話すから!離して!!」
「とりあえず話して貰おうかな?」
「ぅぅぅぅ。私神様なのになんでこんな目に会わなきゃいけないの。あっ、まって!話すから!ぷにぷにはやめて!」
手をほっぺに近づけただけでこの破壊力。
これは今後も脅しに使えそうだな。
「えっとね。1年以内死ぬってのは事故とか病気とかそのままの意味での死ぬって事!」
なるほど。俺は1年以内に死ぬ事になっていたのか。
まてよ。それはこっちに転移しても同じ事なんじゃないのか?
疑問に思った事をそのままきいてみる。
「こっちの世界でも1年以内に死ぬ事になるよな?なんで転移させたんだ?」
チッチッチッとドヤ顔をしている。
いちいちムカつく反応である。
「私の力で君達を延命してあげてるのよ!感謝しなさい!敬いなさい!」
おお!ただの阿呆かと思えばちゃんと神様パワー的なやつあるのか!やるじゃんこのロリっ子。
「ただ、勿論それなりの制約はあるけどね。それがこれ。」
と言うと何も無い空間から突如1冊の本が現れた。
「なんだそれは?」
「これは試練の書〉よ。この中には100の試練が書かれているの。君達は1年以内にこの〈試練の書〉に書かれているmissionをクリアしないと死ぬのよ。」
なるほどな、シンプルな話だ。
1年以内にmissionを100個クリアすれば生き長らえる事が出来るって事か。
てか、やっぱり死ぬのは確定事項だったのか。。。
俺の死因なんだったんだろう。
少し気になる。
ここで女神が爆弾発言を繰り出した。
「今はまだ貴方しか転移させてないけどこれから99人やってくるわ。その人達には説明は君がするんだよ?ちゃんと理解してよね?」
おいおい。きいてないぞ。
初対面の人に俺が説明をしなきゃいけないのかよ!?
しかも99人も!!
コミュ力はある方だと自負しているが、いくらなんでも多すぎだろ。
「混乱しないように分けて転移してあげるから頑張ってね☆私はもう戻るね☆」
そう言うとこの世界の主神、女神イリス・マナは何処へともなく消えていった。
「ちくしょー!あいつ逃げなかったな!どうせ全員に説明するのがめんどくさいとかで俺に押し付けやがったんだろ。」
はぁ。これから99人に説明しなきゃいけないんだよな。
俺自身もまだ理解が追いつかないのに他人に説明とかただの地獄じゃねぇーかよ。
阿呆女神はどっかいったしこうなりゃヤケだ。
せめて会話が成り立つ人であってくれれば幾分か楽になる。
マジで頼む。
そう願いつつ、俺は転移してくるであろう人達を待っていた。