転移者への説明を終え今までの事を話しているとリスナーの1人、はなびから声が掛かった。
「あっ、そうだ。ピエトロさん!そういえばmissionってどんなのがあるんですか?」
missionの内容そういえば確認していなかったな。
中身を確認すると、1ページ目以外は文字化けしていて読めなくなっていた。
ある程度、親睦も深める事が出来たしそろそろ今後の事について考えていくべきだな。
「うーんとだな。文字化けして読めない所がほとんどみたいだ。1ページ目だけはちゃんと読めるから全員で確認するか。」
「みんなー!今後の事について話すから近くに集まってー!」
持ち前のリーダーシップでピエトロを補助してくれるはなび。
ほんと助かる。彼女も不安だろうに、そんな素振りすら見せずに明るく振舞ってくれている。
はなびの声掛けに応じてリスナー達は俺の周りに集まった。
「みんな集まってくれてありがとう。
今後どうしていくかなど話し合いたいと思う。
まずは、〈試練の書〉の中身を全員に共有したいと思う。」
試練の書に書かれている内容を口頭で説明していく。
mission1
自己紹介をしよう。達成済
100/100
クリア報酬:〈試練の書〉×99。受領可能
mission2
スキルを確認しよう。未達成
1/100
クリア報酬:個人mission解放。
mission3
女神イリス・マナと会話。未達成
1/100
クリア報酬:世界樹ユグドラシルへの滞在許可。
mission4
生活拠点を確保しよう。
0/10
クリア報酬:スキル《???》獲得。
mission5
食料を確保しよう。
0/100
クリア報酬:新ミッション解放。
ボーナス報酬:???
「現状確認出来るのはこの5つだな。
さっきの自己紹介でmission1はクリア判定になったみたいだな。ちょっと受領してみるわ。」
〈試練の書〉の受領可能の文字だけ含んでいる。
たぶんこれをおせばいいんだよな?
ぽちっとなっと。
すると、突然今まで何も無かった空間から俺の持っている〈試練の書〉と同じデザインだがそれぞれ色が違うの本が現れた。
そして1冊1冊の所有者が決まっているのか、ぷかぷかと浮かんで持ち主の元へと向かった。
それぞれに行き渡り、書いてある内容が同じである事を確認した。
「次のmission2はスキルを確認しようか。
俺の場合は《第2人格》というスキルでこの世界に転移した時に確認出来たんだがみんなは自分のスキルが何かわかるか?」
それぞれ元の世界で読んだ漫画やラノベの真似をしてみたりといろいろな方法を試してみた。
20分後…………
結論から言おう。
誰一人としてスキル確認をする事が出来なかった。
およそ考え得るありとあらゆる方法を試してみたがダメだった。
後半に至ってはどこの厨二病発表大会だという状況にまで陥った時若干引いてしまったのと俺はああならなくて良かったとホットしてしまったのははここだけの話である。
リスナーも自分達が先程までいっていた厨二セリフを思い出したのか恥ずかしそうに俯いている。
「スキルを確認する条件でもあるのか?」
俺の場合は《第2人格》から話しかけられてその存在気づいた。
そもそもどんなスキルがあるんだ。
〈主様。スキルを確認する方法は2つあります。〉
おお。流石《第2人格》先生。
因みにどうするんだ?
【まず1つ目ですが、〈試練の書〉から確認出来ます。
〈試練の書〉を全員分獲得しましたが、個人登録が完了してない為確認できません。
個人登録する方法ですが、本人の血液を一滴〈試練の書〉に垂らす事で完了します。
登録後『ステータス』と発言する事で確認する事ができます。】
なるほど。ステータスと言っていたリスナーはいたが、個人登録をしてなかったから確認出来なかったというわけか。
そんでアバ先生や。2つ目はなんだ?
【はい。次に2つ目ですが、主様のみ可能な方法です。
主様の称号に《統率者》による効果で確認可能です。
確認方法で『ステータス』と発言しウィンドウから《統率者》をタップするとリスナー様方のスキルが表示されます。】
《統率者》!?いつの間にそんな称号GETしたんだ?
【リスナー様方へ説明をされた時に発現しました。】
あの時か、内心かなりヤケクソでやったんだがな………。
てか、アバ先生マジで有能だよな。
この世界に転移した時も助言してくれたしこれからも頼りにしてるわ。
何はともあれアバ先生のお陰で確認方法はわかった。
「みんなー、きいてくれ。スキル確認方法がわかった。
〈試練の書〉に自分の血を一滴垂らすと個人登録が出来る。個人登録が完了したら『ステータス』と言えばいいらしい。
とはいえどうやって血を採取するかだよな。」
全員身一つで転移しているから持ち物なんてないからな。
「あの、ピエトロさん。私カッター持ってます。」
は、は、はなびさん???
なんで日常的にカッターなんてもってるの?
最近のファッションメンヘラの必須アイテムか何かなのかな?
「お、おう。ありがとう。
まずは、俺からやってみるから順番にやって行こう。」
何が起こるか分からないから俺からやるとは言ったが緊張するな。どんな変化が出るんだろ。
サクッと指先にカッターの刃を突き当て〈試練の書〉に血を垂らす。
血が垂らしてから数秒後、〈試練の書〉が七色に点滅し始めた。
点滅が徐々に収まり赤と白を基調とし端から緑色のラインが入った本へと変化した。
「なるほど。個人登録が終わるとデザインも変わるのか。後は、『ステータス』。」
発言すると、目の前にステータスウィンドウが現れた。
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名前:絵描きのピエトロ(菊池星矢)
性別:男
年齢:22
種族:人(異世界人)
Lv1.(next.10)
職業:未設定
設定可能職業:配信者・会社員・画家・王
称号:《統率者》《神を弄ぶ者》《転移者》
加護:無し
ユニークスキル:《第2人格》《???》
武器スキル
〈棒術Lv.1〉
魔法スキル
無し
生産スキル
〈制作Lv.3〉〈改造Lv3〉〈料理Lv.2〉〈作画Lv.5〉
補助スキル
〈鑑定Lv.1〉〈鑑定妨害Lv.1〉〈魅了Lv.3〉〈擬似再現Lv.3〉〈並列思考Lv.1〉〈清掃Lv.2〉〈???〉
所持金0クロック
装備品
無し
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称号
《統率者》
取得条件
集団のリーダーとして認められ率いる事で取得可能。
《神を弄ぶ者》
取得条件
?????????
《転移者》
取得条件
違う世界へ転移する事により取得可能。
ユニークスキル
《第2人格》
擬似人格を持ったサポートスキル。
スキル
〈鑑定〉
目にした物質の詳細を鑑定する事が出来る。
鑑定する際にスキルLvによって詳細内容が変化する。
〈鑑定妨害〉
他者から鑑定をされた際にスキルLvに応じて抵抗可能。
〈魅了〉
声や容姿により他者の心を引きつけ夢中にさせる。スキルLvに応じて魅了成功率が上昇する。
〈作画〉
絵を描く際にスキルLvに応じて完成度が上昇する。
〈擬似再現〉
実際に目で見た他者の動作・行動・声・スキルを8割表現しスキル取得確率を上げる。
〈料理〉
料理をする際にスキルLvに応じて完成度が上昇する。
〈清掃〉
清掃する際にスキルLvに応じて清掃速度が上昇する。
〈並列思考〉
複数の事を思考可能になる。Lvに応じて思考可能数増加する。
〈制作〉
製作する際にスキルLvに応じて品質補正が入る。
〈改造〉
改造する際にスキルLvに応じて完成確率に補正が入る。
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意外と色んなスキルがあるんだな。
俺の今までの人生での経験がスキルとして反映されているのか?
〈鑑定〉から〈擬似再現〉までは動画配信での経験が反映されていて、残りは一人暮らししてからかな?
〈並列思考〉に関しては《第2人格》の影響だろうな。
なぁ、アバ先生これってみんなに見えてるのか?
【いいえ。現状は主様のみ閲覧可能です。
リスナー様方へ閲覧を許可する場合は表示の有無を設定後に『ステータスオープン』と発言してください。】
なるほど。表示設定も出来るのか。
とりあえず《第2人格》だけ表示ONにして見せるか。
「『ステータスオープン』みんな見てくれこれがステータスだ。自分の今までの人生での経験をベースとしてスキルに変換されるらしい。
特に人体への影響とかもないから順番に個人登録を済ませて言ってくれ。」
それから30分かかってようやく全員分の個人登録が済んだ。
登録を済んで分かった事だかユニークスキルを獲得しているのは全体の20%程で残り80%は獲得は出来ていないが未確認表示になっていた。
スキルの方は俺同様に、今までの人生での経験が反映されており、年齢が高い程取得数やスキルLvが多い傾向にあった。
【主様。mission2をクリアした為個人ミッションが解放できます。】
アバ先生ありがとう。
一気にいろんな情報が入ってきて忘れてたわ。
サクッと確認していくか。
受領可能を押すと今まで文字化けして読めなかった部分が読めるようになった。
個人ミッション
1.転移者への説明。達成済
100/100
クリア報酬:お茶×1。受領可能
2.スキルを5個取得する。達成済
5/5
クリア報酬:海鮮丼×1。受領可能
3.鑑定を1回行う。未達成
0/1
クリア報酬:スケッチブック×1
4.鑑定を10回行う。未達成
0/10
クリア報酬:絵の具セット。未達成。
5.世界樹の絵を完成させる。
0/1
クリア報酬:新個人ミッション解放。
ボーナス報酬:???
ほうほう。
個人ミッションはこんな感じなのか。
まだ次のミッションが解放されてないから分からないが1・2は飲食物で3・4・5には自分の持ってるスキルに応じたミッションという認識でいいのかな。
mission同様ボーナスは???なんだよなー。
今の所簡単にクリア出来る物だが今後どうなることやら。
とりあえず今出来ることを優先してやって行くか。
タイミングを見計らったようにあいつがやってきた。
「やっほーーーーーー☆プリティー女神のイリス様だよぉーーーー☆」