サークルイメージ
妖怪あんかけ
2020年9月21日 22:05
投稿カテゴリ : 記事

(9月23日更新)アリスで見る「不思議の国」の踊り


更新情報:2020/9/20

 動画へのリンクが埋め込みリンクになるように改正しました



 「不思議の国のアリス」ではテーマの1つが「狂ったキャラクター、世界」で、正常とはズレているのが魅力の1つでしょう。

 例えば”全員集合”のドリフターズで志村けんと加藤茶が、世間とはズレたアホなことを言って、観客が笑う感じですね。

 ところが「不思議の国のアリス」は言わば”イギリスのお笑い”です。日本人の我々には、イギリスの常識は知らないのでその「ズレ」の元がわからない。故に、何が面白いのか理解不能。そんな場面が「不思議の国のアリス」には多々あります。

 でも 「今の時代で良かったな」と心底思うのが、わからないならYou Tubeやwikiで、動画や音楽、絵付きですぐに視聴覚的にわかりますね。

 調べてみると、ああここが笑うポイントか、とか発見しつつ(勘違いかもしれないけど)、それを通して1800年代の英国の風習や歴史、文化に触れることができました。



 例えば「不思議の国のアリス」で、踊りを知らないアリスに、ニセ海亀とグリフォンが言い争いをしながら説明し、踊ってみせる話があります。
 その踊りがどんなのか調べてみると「ズレ」があり、 恐らくこの話は、実際の踊りと違ってる所「ズレ」が面白いんじゃないかな? と思われました。



 そんなニセ海亀とグリフォンが踊る「カドリーユ」の踊りをご紹介いたします。



 ◆カドリーユ(Quadrille)の踊り


 その踊り「カドリーユ」は、ニセ海亀とグリフォンが言うには、

 不思議の国では(ウラシマ太郎の竜宮城みたいに)魚介類が一緒に踊るようです。
 ロブスターとペアを組み、踊りながらペアを変えつつロブスターを遠く海に放り投げて泳いでまたペアを組む、という踊りのようです。

 その際、この二匹の怪物が色々言い合いながらアリスに説明します。
 その踊りはグリフォンが言うには「カドリーユは一列で踊る」、ニセ海亀が言うには「2列だよ!」とか。



 (どうも、その踊りが「1列」か「2列」かも、笑うポイントっぽい? のです)



◆1列か2列か


 「カドリーユ」は実在する踊りです。
 4組の男女ペア(つまり8人)が、四角を形成して踊ります。


 動画では、見た感じ目まぐるしく男女が入れ替わっているように見えますが、ピクルスがいくつか動画を見た限りでは、男女ペアは離れて入れ替わっても、その後すぐに元のペアに戻るようです。
 なら、社交界で夫婦がお互いを紹介し合うのにとても適した踊りだったではないでしょうか?

 イングランドには、1808年に伝えられ1813年に上流階級に広がり1816年には多くの人がカドリーユを踊れるようになりました。

 「カドリーユ」はスペイン語で<4>、ラテン語で<四角>の意味があります。

 となると不思議の国のアリスで、「1列だ」といったグリフォンの主張は、どうも間違っていると思えます。
 (四角がテーマの踊りなのに1列なのは不自然です)

 英国の読者からすれば
「1列じゃ『4角』が形成されてないじゃん! どうやって踊るんだよ!」

 と恐らくツッコミをして、クスッと笑う場面なのではないでしょうか?



◆ 馬のカドリーユ

 さて、実はこのカドリーユは元はパレードの種目や馬術の競技の1つでした。
 4人の騎手が馬と共に4角で交差したり、回ったり、いかに正確に美しく整って動けるかを見せるのです。軍隊の動きを軸としているので四角なのでしょうね。


 動画を見ると、音楽に合わせて競技する騎手と馬が生き生きとして、とっても楽しそうです。

 でも騎手だけ見ると4人。後のヒトの踊りの8人ではないですよね?

 つまり「騎手と馬」を二人と考えた8人に当てはめて踊りとして発展させたと考えられます。(騎手と馬、どっちが男でどっちが女かはわかりませんけど)


◆ コティヨン(Colonial)

 この馬術のカドリーユが「コティヨン」(Colonial) という踊りに導入されて、踊りのカドリーユになりました。


 「コティヨン」もペアを作った、似た感じの踊りなのですが
 見た感じ円状に輪になって踊るように見えますね。ペアも男女ペアでなくても良いようです。


 ここまで来ると、「ダンスのペアのロブスターを遠くにぶん投げる」という不思議の国の踊りが、いかにとんでもないかわかりますね。
 「ダメダコリャ」といかりや長介が言って、笑うポイントなんでしょう。
(まぁ、この踊りを知らなくともペアをぶん投げるのはとんでもないことはわかりますが


(補足)カドリーユには2列で対面に並んで踊る方式もあるそうです。
 恐らく、多人数で、4で割れない時などで踊る場合、対面2列にするのではないかな?
 また、円になって踊るカドリーユもあるそうです。元となってる「コティヨン」の要素と混ざり合ってるのではないでしょうか。(あ、するとグリフォンの1列も合ってる!)


◆「HERE WE GO ROUND THE MULBERRY BUSH」

さて、「鏡の国のアリス」でも踊りが少しでてくるのでご紹介します

双子の「トゥイードルダム」と「トゥイードルディ」の登場シーンで出てくる歌「みんなで桑の茂みを回るよ」は私達も聞いたことのあるお遊戯のダンスです。


 この双子ですが、絵はかなり邪悪っぽいし、ディズニーの映画の双子はこの顔に引きづられてなにか悪ガキっぽいのですけど、原作の双子は、かなりイメージが違って普通の活発な少年達で、アリスもかなり好意的です 

◆「トゥイードルダム」と「トゥイードルディ」

 アリスが出会った時、双子は蝋人形のように全く動きませんでした。
 そんな双子をアリスはジロジロ一周して見たり、軽口を話すアリスに
「違うだろ? まずは握手じゃないか?」と双子は言います

 そこでアリスは双子のどちらを先に握手しても失礼かなと考え、両手で二人同時に握手します。すると3人が輪になる形になったので、三人は誰ともなくクルクル回って踊りだすのです。

 いつしかアリスは歌い出し、木々が風で重なり合って音を出し、音楽を奏でます。

「HERE WE GO ROUND THE MULBERRY BUSH」


「不思議の国」と「鏡の国」通して最も楽しそうなアリスです。
 (アリスが自発的に歌うのはこのシーンだけじゃないでしょうか)

 音楽と実際に踊ってる動画を見れば、どんなにアリスが楽しんだかわかるりますね。 

 歌と踊りを4周ほどして、太った双子が音を上げて、この踊りは突然終わるのですが、
 終わると急に気まずくなって、三人は1分ほど無言になるんです。

 その辺りも三人ともかわいいですね。

 ちょうどエルフリングのような感じでしょうか?
 アリスよりも双子のほうが先に音を上げるのは、ご愛嬌ですけど。



 「コティヨン」も動画で輪になって踊るシーンが有りましたが、この辺りを見ると、英国の踊りは輪になって踊るのが、原風景でしょうし、何かホッとしますね。



◆そんな感じで


「不思議の国」で登場する踊りを、ピクルスなりに簡単に調べてみましたがいかがでしょうか
 しかし恐らく今回の同人には全く反映されないと思います

 そんな感じで今回も、同人からそれたイレギュラーなレポートとなってしまいました。

 でもこの辺の世界観を知ってかなり「不思議の国の」アリスの世界が彩り楽しくなりましたので、ピクルス的には満足です。

◆現在は


 現在ピクルスは小説部分を組み直しつつ鋭意製作中です。なのでなかなか進捗をお見せできないのですが、それ迄は今回のようにその過程で見つけたアリスの雑談などを記事にしようかと思いますので、よろしくお願いします。