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Innocence-leaf
2018年12月18日 7:48
Posted category : Article

【小説】全てがSNSで決まるバカみたいな世界の話

第1話「初めて見る女子高生が強かった話」


「何?フォロワー50人のクズが学校なんか来て良いと思ってるわけ?」


今日も始まったか。

俺は窓からその光景を眺める。

この光景はいつも通りの日常的光景になりつつある気がする。

地球の環境崩壊によって生存可能地域が減少。人類は電脳技術を使って作り出した地球によく似た世界「電脳世界:New reality」への移住を計画し、実行に移した。


電脳世界では3つのルールが存在する。

①法律や憲法、職業や寿命など全てにおいて地球と同じとする。

②電脳世界の主力AIへのアクセスを禁止する。

そして3つ目。

③電脳世界での身体の能力値はSNSのフォロワー数値によって変動し、フォロワー数の多さを全てにおいての権限とする。


この3つ目が今の世界を大きく歪ませた原因だ。

ルール自体はAIが算出した結論らしいが、理由などは公表されていない。

その結果、今もこうしてフォロワー数によるいじめや暴力沙汰が絶えない。


電脳世界でのSNSはNew realityの学習データに使われているらしい。

まさかルール③でSNSを活発化させて、学習データを多く集めようとしているのか……などと考えたこともあったが、もう考えるのはやめた。


「いや、その……ぼくはただ…がっこうに…」

「あぁ?声が小さくてよく聞こえねぇよ!」

「ぼく、ぼくは…」


1人の男子生徒は今にでも泣きそうな顔をしている。

まぁ、そうなるだろ。

俺だったら絶対に逃げ出すところだ。


「ちょっと、邪魔だからどいてくれないかしら?」


1人の女子生徒が不良2人と男子生徒の中に割って入ってきた。

見ない顔だな…というかアイツ、正気か?

あの不良2人は学校の教師でも止められない名の知れた不良だ。

今までに30人以上を病院送りにしている。

アイツらに自分から絡みに行くやつなんてバカな奴しかいない。


「あぁ?誰に口聞いてんだ?」

「よく見たらかわいいじゃんっ。ね、俺の彼女になってよ……なんてな」


ガハハハハッ


という笑い声が響きわたった…数秒後には笑い声は聞こえなくなっていた。

衝撃的な光景に、俺は窓から身を乗り出した。


その女子生徒は不良二人の腹部を殴っただけで、不良二人を気絶させたのだ。


不良二人のフォロワー数は合計3000人。

つまり、彼女のフォロワー数は3000人以上ということだ。

この学校の生徒のフォロワー数平均は500人前後であり、3000人というのは校内上位に相当する。


俺が放心と見ていると彼女と目があった。

俺は寒気を感じ、窓から身を引いた。


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Comment

ミルキークイーン 6年前
3156 EXC
斬新な世界設定!
フォロワーかき集めて俺TUEEEE!!! するのかな?
今後の展開に期待!