…―
柚希『じゃあ…ユリア、一度卵焼き作ってみて。』
ユリア『うん!分かった!やるぞ~!!』
柚希はまず、ユリアの実力を見ることに。
柚希(ふんふん…卵を解きほぐして…それから?)
ユリア『えっと!これとこれと…あ、あとこれも!!』
柚希(…え?ちょ、ちょっと待って?なんでワサビと練りガラシ?さらに一味唐辛子まで??
…あれ?何作ってるの?ユリア!!)
ツッコミたいところを必死で抑え見守る柚希。
ユリア『よし!あとは、焼くだけ!』
柚希(全然よし!じゃないよ、ユリア…。あれ?火が強すぎるよ!!それじゃすぐに焦げちゃう…あぁ…案の定真っ黒クロスケに…)
ユリア『わあ!こんがりしてておいしそう!!』
柚希(……こんがりの度合いを超えてるよ…。炭だよもう…。)
ユリア『はい!出来上がり!』
柚希(レスカとロザリアの言ってた意味が分かった…殺人兵器……確かに。)
ユリア『柚希!!味見してみて!!』
柚希『え?…う;分かったよ…;』
…パクリ……Σげほ!けほけほっっ!!
ユリア『美味しいでしょ!!』
柚希(焦げ臭いのと辛いのとで呼吸が出来ない!!)
ユリア『柚希??』
柚希『ユリア!!…げふっ!これ卵焼きじゃないよ!!辛い炭の塊だよ!』
ユリア『えぇ!!そんなはずないよ~!!』
柚希『じゃあ、自分で食べてみてよ!』
ユリア『…;;』
柚希『たとえ、卵と調味料で出来ているとしても、これは立派な殺人兵器だよ!!だいたい、なんで味見しないの?なんで人に食べさせたがるの?』
ユリア『;;ご、ごめんなさい;;;』
柚希『いい?アレンジするのはいいけど、ちゃんとレシピ通りに作れるようになってからにしなさい!!
あと、ちゃんと味見すること!わかった?』
ユリア『はい…;;』
……―
柚希『ユリア、砂糖大さじ2杯ね!ちゃんと計量スプーンで計って…ってそれお玉!』
柚希『ちょ、何入れようとしてるの?お酢いれちゃダメ!唐辛子もダメだから!!アレンジから一旦頭を離しなさい!』
柚希『火は中火で。油は垂らしたら、ペーパーで拭いて… 溶き卵を入れたら軽く掻き混ぜて、固まって来たらフライパンの手前に寄せる…あーあ。スクランブルエッグになってるよ!!』
―よろず屋リビング
琥珀『な、なんだかすごいです…;』
ロザリア『大人しそうな顔してけっこうスパルタやな…』
レスカ『まあ、あのくらいで調度いいんじゃないか?』
そして1時間後…
柚希『はあ…;ようやく形になった。』
ユリア『わあ!黄色い卵焼き…』
柚希『…ユリア。卵焼きは本来黄色いものなんだよ…;』
ユリア『そうなんだ。』
柚希『;;じゃ、味見してみて。自分の舌でしっかり覚えるんだよ!』
ユリア『うん…』
パクリ…モグモグ……
ユリア『お、美味しい!甘くて柔らかくて!!』
柚希『でしょ!これなら皆に食べて貰えるよ!』
ユリア『ありがとう!柚希!!』
柚希『どういたしまして!(笑)』
―よろず屋リビング
パクリ…モグモグ………
琥珀『!お、美味しいです!!凄いじゃないですか、ユリア!』
ロザリア『やれば出来るやん!!』
レスカ『凄い進歩だな。』
ユリア『えへへ。柚希の教え方が良かったんだよ。』
柚希『ううん。ユリアが頑張ったからだよ。
ユリア、料理は基礎が出来てれば、アレンジしても失敗は少ないんだよ。
今後は作れるようになるまで、必ずレシピ通りに作ること。
あと、必ず味見すること。これさえ守れば大丈夫だよ。』
ユリア『うん!!』
…こうして、柚希先生指導の料理教室は幕を閉じた。
あとは、ユリアの向上心に期待!
おまけ→