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Tane3's Scribbled Note
2018年10月30日 16:29
投稿カテゴリ : 記事

鳥に会えない物語 01

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 どこまでも広く続く、荒廃した世界。

 雲一つない青々とした大空も、こんな場所では虚しいだけだ。

「今日はどこまでいくんだい?」

 私の唯一の友人、シューちゃんが問いかける。

「うーん、どうしよっか。まっすぐ進めば、その内何かあると思うんだけど」

「スズナはいつも適当だね。そんなんだから迷うんだよ」

「いーじゃん、迷っても。どうせチズなんてもう無いんだし」

「それもそうだね。なら、あっちの方はどうかな」

「そっちに何かあるの?」

「うん、何となくだけど。そんな気がするんだ」

「えー、またいつものやつ?」

「いつものやつ」

「ま、いっか。じゃあ、出発しんこーだ」

 きっかけは、何だっただろうか。

 はっきりとは思い出せないけど、大した理由じゃなかったと思う。多分。

 あれは本当だ、あれは嘘だと、言い争いになったとか、そのくらいの理由だったはずだ。

 なんでそんな言い争いになったのかまでは覚えていない。

 ただ覚えているのは、この旅の目的。

 私たちは、"サイハテ"を目指して歩き続ける。

「それで、サイハテにはいつ辿りつけるのかな?」

「うーん、分かんないや」

 そもそも、サイハテがどこにあるのかを、私は知らない。

 何でも知ってるはずのシューちゃんも知らないらしい。前にそう言っていた。

 けどサイハテにはオオトリ様が居て、オオトリ様はすごく大きいからそれで分かる。はず。

 オオトリ様に会うのが私たちの旅の目的だ。だから、私たちはサイハテを目指す。

「でも、歩き続ければいつか辿り着くって、そう聞いたから。きっともうすぐ着くんだよ」

「スズナの言葉が正しいなら、もうオオトリ様が見えてないとおかしくないかい?」

「いーいーのー、きっとオオトリ様も寝てるんだよ」

「オオトリ様は昼間に寝るの?」

「うん、そうだよ。きっとそのはず。オオトリ様だって生きてるんでしょ?なら、お昼寝くらいする日もあるよ」

「ふふっ、そういうことにしておこうか」

「もー、何その言い方ー」

 妙に上から目線なシューちゃんにぶーぶーと文句を言っていると、ブタさんみたいだと言われた。

 おこだ。私はオニさんになってやる。

 がおー、と脅かしてやると、笑いながら逃げられた。

 オニさんは足が遅いので追いつけない。ごめんなさい、置いていかないで。


 今日も気ままな旅路は続く。

 多分、きっと、なんとかなるよと言いながら。



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コメント

コタレ蔵 5年前
11315 EXC
読み始めましたー、徐々に読んで行きます🍋オオトリ様はあえるかな?
ぷっちゃー@V運営 5年前
888 EXC
おー、続きが気になる…が、溜まったら一気に読みます!!
vavavavava 6年前
3939 EXC
👍
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